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なぜカスタマーサクセスが重要なのか?

どうもこんにちは。とあるIT系の企業に所属し日々エンジニアとして活動しているチョロリです。このブログでは、日々の業務や学習の中で学んだ内容を紹介していきたいと思います。

第一回は「なぜ最近になって”カスタマーサクセスは重要だ!”という声が増えたのか?」について記載をしていきたいと思います 

サブスクリプション時代の到来

近年コンシューマ向けのサービスはもとより、エンタープライズ向けのサービスも「クラウド化」および「サブスクリプション化」が進んでいます。

これによって、製品を使い続けるのかの選択権/決定権をユーザが持つようになりました。

このパワーバランスの変化がきっかけで「カスタマーサクセス」が企業にとって重要になっています。

売り手 > 買い手 の 買い切り型

従来の「買い切り型(アプライアンス)」のセールスサイクルでは、基本的に購入時にユーザが対象サービス/製品を一括で購入します。「お金」の動きはこのタイミングが最大となります。

その後、ユーザは購入した製品を利用するのですが、その間は大きな「お金」の動きはありません。また、ユーザとしては一度大きなお金で購入した以上、利用し続けざるを得ない状況となります。

結果としてベンダー(売り手)としては購入時までに一番注力し、購入後は如何にランニングコストを抑えるか(手間をかけないか)という考え方が基本となっていました。(※もちろん全ての企業がそうという訳ではなく、導入後のテクニカルサポートなどに力を入れている企業もいらっしゃいます。)

要するにパワーバランスが 「売り手 > 買い手」の状態にありました。

売り手 < 買い手 のサブスクリプション

この「売り手 > 買い手」のパワーバランスが、クラウド化+サブスクリプション化によって大きく変動してきています。

これまで買い切り型(アプライアンス製品など)では大きな金額で購入し、約5年間はその製品に縛られる状態が続いていました。

しかしながら、クラウド製品/サブスクリプションモデルでは、一括購入ではなく月払い や年間払いとなる為、「ユーザは購入後いつでも気軽に別の製品への変更」が可能となります。結果として、「購入したものの想定通りに利用できない場合は、途中で別製品に切り替える」という判断を行うことも可能となりました。

結果としてパワーバランスが「売り手 < 買い手となりました。

企業としては、ユーザ様により長く利用し続けてもらうためにも、購入後のサービスに力を入れる必要があります。では、どのようなサービスが提供されればユーザは製品を利用し続けるのでしょうか。

製品を利用し続ける理由とは

ユーザが製品を利用し続けるという選択をとる要因としては大きく「行動ロイヤリティ(理性)」「心理ロイヤリティ(感情)」が存在します。

行動ロイヤリティとは「機能が必要な理由を判断した上で、製品を選定し購入/利用する」ことを指します。(IT系の方々ですとRFI/RFPの様なものと言えば分かり易いかもしれません)

対して心理ロイヤリティとは「なんとなく好きだから、その製品を購入する」ことを指します。

これだけだと少し分かり難い為、例をあげて説明したいと思います。

例えばあたなは、いつも「ちょろり商店」でビールを購入しているとします。

この理由が「自宅から一番近く、ビールを安く購入出来るから」だった場合は、行動ロイヤリティ からきた購買行動となります。

それとは異なり「お店の雰囲気がとてもよく、なんとなく居心地がいいから」といった理由の場合は、心理ロイヤリティ から来た購買行動になります。

これだけだと、「結局”ちょろり商店”から買ってるからどっちでもいいじゃん」となるかもしれませんが、ここに例えば、自宅より近所でビールの値段も安い「ふわふわ商店」が出来た場合は状況が異なります。

これまで行動ロイヤリティ(自宅から一番近く、ビールを安く購入出来るから)をベースに購買行動を取っていたユーザは、間違いなく「ふわふわ商店」で今後ビールを購入することになります。理由は”自宅から一番近く、ビールを安く購入出来るから”です。

ただ、心理ロイヤリティ(お店の雰囲気がとてもよく、なんとなく居心地がいいから)をベースに購買行動を取っていたユーザはどうでしょう?おそらく引き続き「ちょろり商店」からビールを購入することになるのではないでしょうか。(もちろん「ふわふわ商店」がより良い雰囲気の場合は、ゆくゆくはお店を変えられてしまうかもしれませんが。。)

ここまで読んで既に察している方もいらっしゃるかと思いますが、話を戻し、では企業がユーザに製品を利用し続けて貰う為には「行動ロイヤリティ」と「心理ロイヤリティ」どちらに注力すべきでしょうか。

答えは「心理ロイヤリティ」です。

では、どうすればユーザの「心理ロイヤリティ」を醸成することができるのでしょうか。

その戦略こそ「カスタマーサクセス」となります。

カスタマーサクセスは心理ロイヤリティを醸成する戦略

結論から言うと、カスタマーサクセスとはユーザの心理ロイヤリティを醸成するための戦略を指します。個人的に注意して欲しいのが、カスタマーサクセス自体が目的ではありません。

もう少し踏み込むと、カスタマーサクセスとは、「ユーザの心理ロイヤリティを醸成し、ユーザに自社製品を利用し続けてもらい、新しい製品の追加購入もしてもらい、他の見込みユーザさんへも利用を推奨してもらう」という結果を目指した活動になります。(この部分の詳細は別でお話しします)

では、カスタマーサクセスという戦略を成功させる為には、どの様な戦術を繰り広げればいいのでしょうか。こちらはGainsightがとてもいい定義を出しています。

Customer Success = Customer Experience + Customer Outcome

要するに、カスタマーサクセスとは「Customer Outcome (結果)」とその結果を得るための「Customer Experience(体験)」を最大にすることが重要ということですね。

次回の記事ではCustomer ExperienceとCustomer Outcomeが一体何なのかを考えていきたいと思います!